誰もが被害者にも加害者にもなり得るハラスメント。これは、多くの人と関わる大学生活において意識しなければならないものだ。私たちはハラスメントとどのように向き合えばよいのだろうか。
ハラスメントを受けたときには、はっきりと拒絶の意思表示をすると行為が止むこともある。だが、できるだけ早く相手と距離を置くのが望ましい。一方、個人での解決が難しいケースもある。そのような場合には抱え込まず、信頼できる人に相談するのが有効だ。解決策が見つかりやすくなるほか、他者に打ち明けること自体に心理的負担を緩和させる効果がある。
自覚がないまま加害者となってしまう事例も少なくない。言葉の受け取り方は人によって異なることに加え「誰に言われたか」によって受ける印象が変化するからだ。また、気持ちを正直に伝え合える関係を構築することも大切となる。とはいえ、上下関係がある場合にはこうした関係を築きにくい。コミュニケーションをする際は、より一層の配慮が必要になるだろう。
本学にはハラスメント専門の相談員がおり、電話かメールで申し込めば面談可能だ。成蹊学園ハラスメント防止委員会委員長の正岡和恵教授は「被害にあったときに相談の手段が分からなければ、一人で抱え込んでしまう。まずは相談室などの存在を知ってもらいたい」と語る。被害への適切な対処を行うだけでなく、加害者にならないために、ハラスメントとその支援についての理解が必要だ。(勝見季紘)
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