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2019年度 就職率96.0% 8年ぶり低下も高水準を維持

キャリア支援センターより、2019年度卒業生の就職率(3月31日付)が発表された。就職率は2018年度から3.3ポイント減の96.0%と、8年ぶりに低下。一方で、学部を問わずIT業界への就職者数は増加を続けている。情報技術の発展に伴い、IT業界に対する学生の期待が高まった結果だ。


2019年度の就職希望者は1511人、そのうち96.0%(3.3ポイント減)に当たる1451人が就職した。また、文系学部では95.8%(3.5ポイント減)、理工学部では97.1%(2.0ポイント減)となった。

※( )は2018年度比




▼主な就職先

文系男子の最多は東京特別区Ⅰ類の8人。三菱電機ビルテクノサービスが7人、あいおいニッセイ同和損害保険が6人と続いた。文系女子はMS&AD事務サービスの7人が最多で、あいおいニッセイ同和損害保険、MS&ADシステムズ、三井住友信託銀行が各6人。また理工学部と大学院理工学研究科では、東京海上日動システムズ、本田技研工業が各5人。SUBARU、凸版印刷、東日本電信電話、三菱総研DCS、明治安田システム・テクノロジー、横河ソリューションサービスがそれぞれ4人だった。


2019年度は、文系全体で上昇傾向にあったサービス業界への就職が急激に増加。IT業界も引き続き緩やかに増加した。一方、例年上位を占めていた金融業界への就職人数は減少し、女子では2018年度から半減した。メガバンクの一般職を中心とした採用抑制が影響したと思われる。また、理系ではIT業界就職者数の増加と、製造業界への就職者数の減少が見られた。文理問わないIT業界の増加には、学生の業界への高い関心と期待がうかがえる。


▼就職活動全体の傾向

近年は「売り手市場」の傾向が続いている。これまで7年連続上昇していた大卒求人倍率は1.88倍から1.83倍に落ち込んだものの、10年卒以降で2番目の高さとなった。本学全体での就職率もわずかに低下傾向となったが、依然として高水準を維持している。リクルートワークス研究所によると、従業員規模別の大卒求人倍率は300人未満の企業(中小企業)で昨年の9.91倍から8.62倍、5000人以上では0.37倍から0.42倍に変化。近年拡大傾向であった従業員規模間の倍率差は転じて縮小した。


▼本年度の就職活動

本年度は新型コロナウイルスの影響により就職活動が一変。活動期間が長期化し、対面式の面接や説明会はオンラインのものへと姿を変えた。また、ANAグループの採用活動の一時中断や、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの運営会社であるユー・エス・ジェイの新卒採用中止など、就職活動に対する逆風は如実に表れている。しかし、現在就職活動に励んでいる本学女子学生(現代社会4)は、むしろメリットもあると語る。


彼女の考えるメリットは大きく三つ。学業と両立しやすいことと、金銭面の問題が軽減されたこと。そして、面接での自己アピール方法の幅が広がったことだ。オンライン面接であれば、課外活動での経験について、実際に使用した道具や制作したものを見せて話ができる。そのため、ただ話すよりも面接官に興味を持ってもらいやすい。モチベーションを保ちにくい、孤独を感じやすいといった難点もあるものの、従来とは異なるメリットを持った就職活動になっているようだ。


▼今後の就職活動

コロナ禍で進んだオンラインを活用した採用・就職活動は、今後主流となる可能性がある。また、昨今検討されている通年採用が本格化すれば、これまでの就職活動の在り方を見直す必要も出てくる。就職活動中、学生は他の人との違いや自身の将来に対して、多くの不安を感じやすい。そのような不安を解消するためには、積極的な行動に加え、自分にとって大事な情報を逃さないことが求められる。情報収集の手段は多様化し、学生の置かれる状況も変わった。インターネットや学外のエージェントを用いて情報を集める学生も増えている。しかし、方法を誤ると偏った情報ばかりが集まってしまう。周囲の人にも相談しながら、膨大な情報を見極めていく必要がある。(白川ゆり)

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