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吉祥寺音楽祭 地域の文化伝える

吉祥寺は文化の街と呼ばれている。その代表がジャズやフォークソング、ロックなどの音楽だ。吉祥寺音楽祭では吉祥寺に根付く多様な音楽の良さを伝え続けている。10月17日には、このイベントの一つである「吉音コンテストvol.20決勝大会」が吉祥寺シアターで行われた。

▼吉祥寺音楽祭の内容と歴史

本音楽祭は公園コンサート、ジャズコンサート、吉音コンテスト、吉音スーパーステージの4つを中心に行われている。今年で36回目を迎えた本音楽祭は1986年に始まった。当時の商店会の若手メンバーたちから、吉祥寺を文化で盛り上げるイベントをつくりたいという意見が集まったことが開催のきっかけだ。


その後、イベント内容の大きな変更を二度実施している。一度目の変更は1990年の第5回だ。当時吉祥寺でジャズ喫茶を営んでいた実行委員の提案で、ジャズを中心にイベントを開催するようになった。2002年の第17回では二度目の変更を実施。商店会の代表を含む実行委員の意見により、ジャズだけでなくフォークソングやロックなどのさまざまな音楽ジャンルを織り交ぜて開催するようになった。


その結果として生まれたのが、吉音コンテストだ。吉音コンテストには音楽ジャンルの制限がない。決勝大会に進出し優勝した団体は、むさしのFMで1年間ラジオ番組に出演したり、翌年5月に吉祥寺駅北口駅前広場で行われる吉音スーパーステージで演奏したりすることができる。来場者にとっては、演奏を聴くことに加え、好みのミュージシャンを見つけられることも楽しみの一つだ。


▼コロナ禍による影響

コロナ禍は本音楽祭に新たな変化をもたらした。従来、本音楽祭は4~5月に開催していたが、昨年は緊急事態宣言が発令されたため中止に。吉音コンテストのみ開催を延期し、ローカル番組やYouTubeでの放送を行った。


実行委員長の三次耕平さんは「この過程で、本音楽祭がインターネットを使った広報に弱かったことに気付いた」と話す。それまではポスターやチラシなどの配布物を利用しており、本音楽祭のホームページはあまり認知されていなかった。そこで、新しいホームページを作成し、今年10月に公開。本音楽祭に親しみを持ってもらうため6月から「キチオン」という愛称を付けたことと併せ、幅広い広報活動を行い始めている。


三次さんは「出演者は本音楽祭を通し、公園や駅前などの特別な場所で普段とは異なる演奏ができる。そうした演奏が来場者にとっての感動にも結び付いてほしい」と熱く語った。音楽イベントは全国各地で行われるよう変化しており、本音楽祭が生き残っていくためには新しい挑戦をする必要がある。今後は井の頭恩賜公園全体を使ったイベントや、地域のライブハウスと協力したイベントを開催しようと考えているそうだ。本音楽祭の動向に注目していきたい。(飯塚大賀)

ライブ配信 現場の努力あり

ぴあ総合研究所株式会社の「有料型オンラインライブ視聴に関する実態調査」によると、18~69歳の約16.5%が2020年に音楽分野の有料型オンラインライブを視聴した。スタジオキッカ吉祥寺でも、昨年3月からライブ配信の事業を行っている。 同スタジオは、新型コロナウイルスの影響によるライブの減少とライブハウスへの収容人数の規制に悩まされていた。そこで、ライブをスタジオからインターネットで中継する取り組み

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