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成蹊大学新聞会

SNS 企業と消費者を密接に

『日経トレンディ』と『日経クロストレンド』が選ぶ「2021年ヒット商品ベスト30」の第1位になった「TikTok売れ」。地球の見た目をした「地球グミ」や30年以上も前に出版された小説『残像に口紅を』などがTikTokをきっかけにヒットした。近年、SNSが市場に与える影響は大きくなってきている。そこで、SNSがもたらす企業のマーケティングと消費者行動の変化について、経営学部の井上淳子教授に話を聞いた。


SNSを使ったマーケティングでは、マスメディアよりも多様でメッセージ性の高い広告を、消費者の特徴に合わせて提供できる。また、SNSには情報が拡散されやすいという性質があるため、より多くの人に商品が知られるようになった。一方、広告を出している企業側は拡散をコントロールすることができなかったり、消費者のクリック率といった指標に応じた広告の変更に手間が掛かったりするというデメリットもある。企業は消費者の反応を注視することが求められている。


SNS上の広告は、伝統的なマスメディア広告よりも表現の多様性に富み、情報伝達力が高い。特に広告動画では消費者が文字を読む必要がなく、負担が軽い。消費者は無意識に商品の情報を得るようになった。またSNSでは、ユーザーの何げない投稿が広告となり得る。消費者は自ら商品を探すつもりがなくても、SNSを使うだけでそれらの投稿を見るため、結果的に商品の情報を目にすることとなる。さらに、SNS上の広告を閲覧したデバイスで商品の購入もでき、消費者が商品を認知してから購入までの過程が短縮された。


企業がSNS上で広告を用いて商品を売るためには、広告が話題となり拡散されることが有効だ。井上教授は「SNSでは情報が溢れている。広告は消費者の心を動かすような突出した表現をしなければ、埋もれてしまう」と話す。SNSを使ったマーケティングは、消費を人々が参加するものに変えた。企業と消費者の関係は密接になったと言える。今後、SNSは消費行動において重要な鍵となる。(齊藤睦典)



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