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成蹊大学新聞会

2020年欅祭特別号 論説

更新日:2020年12月13日

本年度他大学に入学したアルバイト先の男子学生に「友人はできたか」と尋ねると、明るく返された。「できるわけないやないですか」。彼は関西から上京してきたため、東京に知り合いはいない。毎日のように地元の旧友たちと連絡を取り合っているそうだ。9月の話である。


7月に当会HPにて公開した「本学の新型コロナへの対応 オンライン活用」内では、本学学生にアンケートを行った。約62%がオンライン授業に「とても満足している」「ある程度満足している」と回答。オンライン授業が好意的に受け止められていることは事実である一方、コミュニケーション不足への不満の声も寄せられていた。後期になり、数週間に一度はゼミが対面になった。しかし、該当しない学生もおり、同じ学科の友人は後期も全てオンライン授業だと嘆く。ハイブリッドにすらできていないのが現状だ。


オンライン授業の善悪の話ではなく、交流を深める機会の喪失を認識する必要がある。新入生ウェルカムデーだけで友人をつくれというのも、酷な話だ。冒頭の彼のような状況の学生もまだ多いことと推察される。その中における文化会本部主催の文化会成果発表会には、学生の交流が再び行われる機会となった点で大きな意義がある。


大学側は学生に手厚いフォローをすることはもちろん、今後のビジョンを示すべきだ。安全確保に努めるべきとの大学側の考えは十分に理解でき、否定するつもりもない。しかし、仮に来年度もオンライン授業が主になるならば、学生の交流を維持するための手を打つ必要がある。同じ轍を踏むことがあってはならない。寒さが押し寄せ、新型コロナウイルス感染症は三度拡大傾向にある。今後の感染状況がどうなるか、誰にも予測できない。だからこそ、あらゆる事態を想定し準備することが求められる。(倉田滉也)

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