新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、学生の過ごし方が一変した。昨年度の本学の取り組みを振り返り、コロナ禍における学生生活を考える。
昨年度、本学はオンライン授業を開始した。後期には少人数の科目に限り対面授業を再開したものの、11月に原則中止に。ほぼ全ての授業をオンラインで実施することになった。本年度は段階的に対面授業に切り替える予定だが、オンライン型の授業も残るという。静かな環境で集中して学習できるメリットもある。一方、不便さを感じる場面もあった。情報分析プログラムの授業を履修していた友人は「コンピューターの細かい操作を全てオンラインで教わるのには限界がある」と嘆いていた。それぞれの授業の特性を理解し、適した形式で授業を行う必要がある。
また、欅祭をはじめとする行事や式典も多くが中止。感染対策を講じた上で、代替行事や新入生向けのイベントが実施された。そもそも学内行事にはどのような役割があったのだろうか。行事では準備から当日の活動まで、全てのプロセスが学びにつながる。学生たちはこの過程の中で自己理解を深め、交友関係を広げていく。こうした経験は行事ならではのもので、部活動・サークル活動やゼミの活動だけでは得られないだろう。本年度の行事運営も新型コロナウイルスの感染状況に左右されるそうだ。これ以上経験の機会が失われることがあってはならない。
大学の取り組みにも評価できる点は多々あるが、現状を維持するままでは経験の機会が奪われていくばかりだ。また、感染拡大のスピードは鈍化しているものの、第4波がないとは限らない。大学側の企画を待つのではなく、学生一人一人が主体的に行動する必要もある。オンライン授業になったことで、これまでより自由に使える時間が増えた。インターンシップやプロジェクト活動などへの積極的な挑戦が、学内行事で得られなかった経験を補う一助となるはずだ。(白川ゆり)
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