ラジオやCD、ストリーミングサービスなど、技術の発展は音楽を手軽なものにした。今や街中で、イヤホンを着けている人を見ない日はない。今回はそんな身近な音楽について特集した。
音楽は単なる娯楽ではなく、地域を活性化させる側面も持っている。吉祥寺音楽祭をはじめとするイベントは、かたちを変えながらも継承され続けてきた。音楽イベントの開催にあたっては、演奏者やライブ配信の運営者なども工夫を重ねている。また、普段とは異なる音楽ジャンルを楽しむためにも多様な手段がある。「敷居の高さ」を感じさせないジャズクラブに立ち寄ったり、アーティストや楽曲について知らなくても、フェスで充実した時間を過ごしたりすることができる。さらに音楽療法では、人との関わりを通して健康支援を行う。音楽は、活用の仕方次第で人の心と体に作用する。
好きな曲を聴いてリラックスしたり、つらいときに明るい曲を聴いて励まされたりするなど、音楽に支えられているという人も多いだろう。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により、対面形式のライブの開催は制限。大人数でのカラオケもできなくなり、音楽業界全体に大きな影響が及んでいる。その中でも音楽文化を絶やすまいと、努力している人たちがいる。今度は、音楽に支えられてきた私たちが音楽を支える番だ。今後も引き続き音楽を楽しめるようにするためにも、音楽サービスの積極的な利用やイベントへの参加を通じて、業界を盛り上げていく必要がある。(増田猛)
Comments