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適度なストレスへ 自己理解が大切



▼ストレスの定義とメカニズム 私たちが経験しているストレスは、ストレッサーからストレス反応に至る一連のプロセスとして理解できる。ストレッサーとは、ストレス反応を生むきっかけとなる出来事を指す。その結果として生じる心身の反応が、ストレス反応だ。ストレス反応は一般的に、頭痛や肩こり、疲れなどのように体に生じる反応の場合もあれば、不安や怒り、落ち込み等の心に表れる反応の場合もある。

同じストレッサーを経験しても、ストレス反応の程度には個人差がある。この個人差が生じる主な要因としては4つの要素が挙げられる。それは、①疲労のたまりやすさや睡眠不足耐性などの体質面②考え方や価値観といった心理面③過去の経験④周囲からのサポートの有無などの環境面――だ。

こうしたストレスへの対処法は、主に2種類あるという。ストレス反応を和らげる「緩和」と、ストレッサー自体を乗り越えたり、解決していったりする「克服」だ。これら2つのアプローチを使い分けることがポイントになる。特に新生活が始まったこの時期には、環境に慣れるまでの間に疲れをためる人が多い。ストレス反応が出たら、体を休める、周囲の人と会話するなどと適度に休息を取ることが有効だ。

▼ストレスが与える良い効果 ストレスがもたらすのは悪い影響だけではない。適度なストレスは、日々の生活に程よい緊張感や充実感を与えるなど、生活の質を高める。ストレスをなくそうとするのではなく、自分に合った負荷の掛け方を見極めることが大切だ。そのためには、さまざまな経験を通して自己理解を深めることが必要となる。

ストレスとの上手な付き合い方の模索や、自己理解の手助けの一つに挙げられるのが、本学1号館2階の学生相談室だ。平日の午前9時半から午後5時まで開室。問題や悩みを抱える人だけではなく、学生生活をより良いものにしようと、自分自身と向き合っている人の利用も少なくない。経済学部の林潤一郎准教授は「教育の一環として、一人一人に合った相談やサポートを提供している。自分を伸ばすための場だと捉えて積極的に活用してほしい」と語った。学生相談室は、昨年6月に設置された学生サポートセンターの一部だ。同センターは、他にも障がい学生支援室や談話室の機能を備える。このように、本学にはストレスに対して適切に対処するためのサポート体制が整っている。これらの利用も視野に入れ、充実した学生生活を送ってほしい。(増田猛)

ストレス解消 旅行に期待

人々を癒やし、忙しい毎日から解放してくれる旅行。休日や長期休暇を利用して、各地へ赴く学生も多いだろう。今回は旅行が持つ特長やストレスへの効果について、経済学部の井出多加子教授に話を伺った。 ストレスの解消には、ストレスの多い環境から距離を置くことが効果的だとされている。自分の時間に長く没入することで気持ちが上向き、ストレスの原因となる事柄をポジティブに捉えられるようになるからだ。旅行は他の方法と比

ストレス特集 編集後記

「春は出会いの季節」という言葉があるように、この時期には周囲の環境が大きく変わる。同時に、心理的に不安定になりやすく、ストレスが生じることも増える季節だ。今回はストレスとの向き合い方について特集した。 ストレスは必ずしも悪影響を及ぼすとは限らず、程度によっては良い効果をもたらすこともある。ため過ぎず、発散することが重要だ。一人で抱え込む前に、誰かに相談してみるのも良いだろう。また、ストレスとの向き

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