本学の体育会所属団体も新型コロナウイルスの影響を受けた。6月21日から屋外施設の使用が限定的に許可されたが、十分な練習はできていないのが現状である。しかし、彼らの部活動に込める情熱や思いは変わらない。今回は3団体に、部の魅力や例年の活動を取材した。
▼ワンダーフォーゲル部
新しい生活様式が求められ、遠出ができずストレスをためている人も多いだろう。生活が落ち着きを見せ始めたら、思い切って山登りというのも良いかもしれない。
本学ワンダーフォーゲル部には男女合わせて16人が所属している。主な活動は、月に1回の1泊2日の山行と、6月と9月に行う本学園虹芝寮での合宿だ。さらに夏期休業期間に、最長で9泊10日の合宿を2回実施。南北アルプスの山岳に登頂する。毎月の山行は、この夏合宿に向けた訓練としての役割もあるという。
同部の魅力は、活動を通じて特別な体験ができることだ。合宿では山中で数日間過ごすため、部員たちは衣食住に関わる道具を自らの力で運び、協力して生活する。大自然を味わえるだけでなく、あえて不便な生活をすることで人間らしさを感じられるという。
主将の久保田悠斗さん(経済経営4)は「今は感染症拡大防止のために自粛しているが、活動できるようになったら登山の魅力を伝える機会を設けたい」と語る。登山を通して得られる新しい経験は数知れない。その経験が人生を豊かにしてくれる。(中村洋介)
▼漕艇部
毎年、ボートは学内競漕大会(成蹊レガッタ)という大きなイベントで親しまれてきた。しかし、部活動としてはなじみのない人も多いかもしれない。本学漕艇部の活動内容について、主将の渡邊真生さん(経済経営4)に話を伺った。
同部は週5日、埼玉県の戸田公園漕艇場で練習を行う。37人で活動し、例年は漕艇場近くの合宿所で共同生活を送りながら大学へ通っている。貴重な経験である合宿生活には、競技者としてのみならず、人として成長する目的を兼ねている。普段から共に過ごす部員たちは、学年や学部を問わず仲が良い。期末試験前には勉強に励み、互いに教え合うことができるのもこの部の良いところだ。
ボートには他の大学スポーツのようなリーグ構成がない。本気で練習を重ねれば、初心者でも頂点に立てるという。同部は成城大、学習院大としのぎを削る三大学対校競漕大会をはじめ、年10回ほど大会に参加している。9月の全日本大学選手権大会での決勝進出を目標に掲げ、戸田公園漕艇場で開催される大会には全て出場。近年は遠征を行うなど精力的に活動している。
渡邊さんは「漕艇部へ入部すれば、最後の学生生活が必ず充実したものになる」とコメントした。勝利を目指して努力する同部で、彼らと共にボートに挑戦してみるのも良いだろう。(田尻那奈海)
▼硬式野球部
日本人にとって身近なスポーツの一つである野球。大学スポーツにおいても各校が競い合っている。本学硬式野球部は東都大学野球連盟3部に所属しており、例年春と秋のリーグ戦に出場する。
本学園野球場を拠点として活動する同部。練習は、月曜日を除く平日の正午から午後3時までと土、日曜日に各3時間程度行う。平日には授業がない部員が参加し、土、日曜日は全体練習をするそうだ。主将の山口駿さん(日本文4)は、同部の特長として部員が主体的に活動していることを挙げた。学生コーチの下での基礎トレーニングや実戦を想定したゲームノックなど、さまざまな練習を部員たちで計画している。さらに、多様なメニューの中でどうしたら技術が向上するかを考え、互いに知識を共有。対外試合を多く組むことで、選手たちが成長できる環境を整えている。
課外活動禁止期間は自宅での個人練習に励んでいたが、今月からは部員を三つのグループに分け、日程をずらした上で活動を再開する。困難な状況は依然として続くが、自分たちでチームをつくり、運営するという方針は変わらない。今後の硬式野球部の活躍に期待してほしい。(三瓶純一)
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