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執筆者の写真成蹊大学新聞会

華道で知る 花の楽しみ方


日本の伝統芸能である華道。自分には馴染みの薄い文化だと思っている人も多いだろう。しかし、華道を知ることで日常における花の見方が広がり、より身近な存在になる。本学華道部で部長を務める今成怜奈さん(英語英米2)に、華道を通じた日常にある花の楽しみ方について語ってもらった。


華道とは、自然から花や草木の命を頂き、葉を整理したり花を開いたりすることで、その美しさや命の尊さを表現し鑑賞する芸術だ。さまざまな流派がある中で、本学華道部は命をテーマとした「池坊(いけのぼう)」に属している。この流派は、枯れ葉や曲がった草木でさえも自然にあるときよりも美しく、最期まで生けることを大切にしている。


用いる花や草木は自然のものであり、その都度花材の状態が異なる。花や草木は時間と共に姿を変え、いずれは枯れてしまう。しかし、植物の命に限りがあるからこそ、華道では生命の力を表現できる。それを表現する方法の一つは、陽が当たる方向に葉や花を多く生けることだ。このように、自然のものをどう生けるのかを考えることが華道の難しさであり、楽しさでもある。


華道ならではの表現を学ぶと、日常にある花の見方も広がり、より身近になる。例えば、街中で花の美しさを再発見することや、自然の中で花が太陽に向かって伸びる様子を見て生命の力強さを感じることが増える。今成さんは、水替えや手入れなどを通じて毎日花に触れている。日々様子を変える花に触れることが毎日の癒しになっているそうだ。


私たちは華道をきっかけに花の生命力や美しさを再認識できる。華道を通じた花の楽しみ方を生活に取り入れ、普段から意識を向けるようになれば、いつも近くで精一杯生きている花の存在に気づくだろう。(秋田彩夏)

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