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私たちにできる防災対策

震災が起こった際、公助は必要不可欠である。しかし、公助の手が市民に深く及ぶには時間を要するため、個人での取り組みも災害時には欠かせない。そこで、武蔵野市民防災協会事務局長の小林秀綱さんに個人でできる防災の取り組みについてインタビューした。


まず小林さんは大きく三つの取り組みを挙げた。一つ目は、建物の耐震性のチェックだ。建物の耐震性に問題があった場合、市から耐震化への補助を受けられる場合がある。自分の住居の耐震性を確認し、必要に応じて耐震化を検討すると良い。二つ目は、家具の転倒防止だ。「阪神淡路大震災では、家具の転倒によって被害にあった方も多い」と小林さんは話す。協会の売店でも販売しているつっぱり棒などの防災グッズの購入は一つの手段になる。三つ目は水や食料、トイレなどの物資の備蓄だ。水や食料は、日頃から利用しているものを少し多めに蓄え、消費と購入を繰り返す「ローリングストック」という方法での備蓄が薦められる。トイレについては、災害時には水洗トイレを使用できない可能性があるため、簡易トイレの確保が重要だ。これらに加え、夜中の災害時に灯りとなるハンディライトや在宅避難にも役立つガスコンロとガスボンベ、停電中でも情報を得られるラジオの準備も望ましい。


地震発生時には自助の取り組みだけでなく、近隣住民同士の助け合いなど、地域の共助も重要となる。しかし、現代では近隣住民との関係が希薄な人も多い。「高齢者がどこに住んでいるかなどの情報を共有できるようなコミュニティを作る必要がある」と小林さんは語る。万が一地震が起こった時に一人での避難が困難な方が近隣にいるかなど、普段から近隣住民に意識を向けることが大切だ。


自助・共助の取り組みに加えて「今ここで地震が起きたらどうするかというシミュレーションを常にすることが重要だ」と小林さんは語る。災害時には、誰もが「助ける側・助けられる側」になりうる。自分の身を守るためにも、具体的な想定をし、防災対策への意識を持ってほしい。(菅野菜乃)

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