来年2月から2024年春まで、理工学部エリアの再開発のため11号館・12号館・13号館を解体し、新11号館を建設する工事が行われる。新11号館は学生全員の学びの場、憩いの場として本学の新たな象徴となる。施設の特徴や工期、工事に伴う影響について、管財課と総合企画課に取材した。
▼新棟建設の目的
来年4月、本学理工学部は従来の3学科から1学科5専攻に改組する。これに合わせて新棟を建設し、本学の理工学部に対するイメージを刷新することが主な目的だ。また、今回の工事で現在の11号館・12号館・13号館は全て解体される。これらの建物は築50年を上回るため、老朽化が進んできていることも工事の理由の一つだ。
▼施設の特徴
今回解体される11号館・12号館・13号館の機能は、新たに建設される11号館に集約される。新11号館は、延床面積が約15000㎡の5階建てであり、本学園では最大級の規模となる。また、建築材料の一部には木材を導入。樹木は大気中の二酸化炭素を取り込み、伐採後も貯蔵する。その樹木を資材として活用することで、大気中の二酸化炭素量の削減を図る。新棟は断熱効果の高い設計であるため、従来の施設に比べて空調設備の使用による環境負荷が低減されることも期待できる。
1階と2階には「ラーニングコモンズ」を取り入れる。学生個人やグループでの学修スペースとして、知識を共有し学びを深められる環境を用意。3階から5階にかけては、理工学部の研究室が設置される。また、1階にはカフェの設置も計画され、トラスコンガーデンやカフェ&ホールCOMMichiに続く、新たな憩いの場となる。アトリオに面するため、既存の憩いの場よりも構内の各施設へのアクセスが良い。多くの学生にメリットをもたらす。そのほか、新11号館の活用方法については、学生の意見を積極的に取り入れて検討を重ねるという。
▼工事の期間と範囲
工事は来年2月に予定されている13号館の解体から始まり、その跡地に新11号館が建設される。現11号館・12号館の解体は、新11号館へ機能の移行が完了してから行う。新棟は2024年春の完成予定だが、学生が利用できるようになるのは同年9月からだ。
▼学生への影響
授業時間中にも工事を行うため、現場の近くに位置する建物内では、騒音の影響を受ける可能性が挙げられる。また、工事の初期に実施する13号館の解体に合わせ、西門から4号館の北側にかけて自転車道路の使用を制限。日常的に西門から入構している学生は、正門への迂回が求められる。工事により駐輪場が使用できない間は、代替地を用意する方針だ。進行に応じて立ち入り禁止エリアが変更されることもあるため、随時SEIKEI PORTALにて掲示されるお知らせを確認することが重要だ。
管財課の柏木隆志さんは「旧棟の解体と新棟の完成に向け、一時的に不便を感じる場面も生じる。しかし、今回の工事では本学全体の利便性の向上を目指している。学生には、是非とも理解と協力をしてもらいたい」と話した。
▼新棟がもたらす 「文理融合」
理工学部エリアの再開発は、全学生の学生生活を大きく変える。理工学部の研究室の環境が向上することはもちろん、文系学生も気軽に利用できるような施設が建設されることで、構内における活動範囲を広げられる。本学は文理融合を方針の一つとして掲げている。新11号館は、普段関わりが少ない文系学生と理系学生の架け橋だ。建設をきっかけに、全学部、全学年が共に学修するワンキャンパスの強みがより発揮されるだろう。(増地未央)
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