学部改組をはじめとする改革「SEIKEI Brilliant 2020」の一環として、法学部では本年度から新カリキュラムが導入される。対象は本年度以降の入学者だ。
新カリキュラムの一つである「高度職業人養成システム」は「重点学修認定制度」と学科別の「エキスパート・コース」で構成される。重点学修認定制度とは、グループやコースに分かれた科目群から所定の単位数を取得すると認定される制度だ。学生に履修指針を提示し、計画性や専門性を高めさせる狙いがある。エキスパート・コースは従来通り両学科に設置。民法を中心とする重要分野を、集中的かつ発展的に学ぶLE(Legal Expert)コースには大きな変更はない。一方、外国語文献や資料を用いながら政治学を学ぶPSE(Political Science Expert)コースでは、受講できる時期が2年次前期から1年次前期へ早まる。
さらに法律学科には「コンデンスト講義シリーズ」、政治学科には「クロスオーバー演習」が新たに導入される。民法など複数の講義にまたがる法律分野の学修内容を凝縮したものが、コンデンスト講義シリーズだ。公務員試験や法科大学院試験などへの対策になるほか、他学部の学生もポイントを絞って法律を学修することが可能になる。クロスオーバー演習では、法学部の教員と成蹊教養カリキュラムを担当する教員が、二人で一つの演習を展開。多角的な視点で物事を捉える人材の育成を目指す。高度職業人養成システムとの連動により、学生の専門性を高めるとともに、幅広い教養を身に付ける機会となる。
法律学科の原昌登教授は「既存のカリキュラムの良さを生かしつつ、よりきめ細やかな授業ができるように努める」と語る。また、政治学科の平石耕教授は「昨今激しく動く世間の波に乗るだけではなく、世界の動きそのものを測深できる知性を磨いてほしい」と話した。(遠藤可稀)
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