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武蔵野市 市民に防災対策を啓発


1月1日に発生した令和6年能登半島地震は、人々の防災意識に大きな影響を与えた。大地震に時間や場所の例外はない以上、準備は全国規模で常に求められる。首都直下地震の発生が予想される関東地方でも、自治体を中心に対策が進行中だ。そこで本学の位置する武蔵野市における災害時のリスクと防災対策について、武蔵野市防災安全部防災課の良永陽亮さん、高橋啓悟さん、市川夏海斗さんに話を伺った。


武蔵野市では、市で甚大な被害が見込まれる「多摩東部直下地震」を中心に想定している。当該地震について、令和4年に東京都が公表した被害想定によると、被害が大きい場合には市内での火災消失が1,649棟、建物全壊451棟、死者60人、負傷者934人、避難者数約32,000人、帰宅困難者20,000人以上とされる。


「市では自助・共助・公助の三原則に重点を置き、防災講話や帰宅困難者対策の訓練などを通して啓発活動を行っている」と高橋さんは説明した。その一つである総合防災訓練では、地域住民を主体とした避難所運営組織と協力して実施している。災害時の避難所運営では行政よりも地域住民主体の方が成功事例が多い。災害時には公助に限界があることから、啓発活動を通して自助・共助の大切さも情報発信している。


加えて、啓発活動では在宅避難の周知にも力を入れている。市は発災直後の一時避難を終えた後、自宅に倒壊の危険等がない場合には自宅で避難生活を送ることを推奨している。しかし「災害時は避難所に滞在するという考えを持っている方も多く、在宅避難を広めることが課題だ」と良永さんは語った。防災対策では、自分が以前から持つイメージではなく、新しい知識を積極的に得ることが求められる。


現状、防災講話等のイベントの参加者は、防災への関心が高い人が中心だ。防災への関心の有無にかかわらず、「災害時には全ての人が被災者になってしまう」と市川さんは話す。誰もが基礎的な防災知識を得られるよう動画を作成しウェブ上で公開するなど、市はより多くの人への情報発信を目指している。災害時は全員が当事者となるという意識を持ち、日頃から防災について考えることが大切だ。(新渡戸常明)

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