成蹊とのつながり 東洋文庫でアジアを知る

最終更新: 2020年7月6日

※本記事は2019年11月号(No.319)文化面にて掲載されたものです。


東洋文庫という研究図書館をご存じだろうか。設立者の岩崎久彌氏は、本学園創立に尽力した小彌太氏のいとこにあたるため、東洋文庫と本学園は深い関係にある。本学園の学生や関係者であれば東洋文庫ミュージアムへの入場が無料になるのは、このつながりがあってこそだ。本学情報図書館の2階には東洋文庫を紹介する展示コーナーも常設されている。近年は両者の関係がさらに強まり、本年度から文学部で東洋文庫を取り扱う講義が開講された。しかし、学生の知名度はいまだに低い。そこで今回、東洋文庫の特色について東洋文庫文庫長特別補佐の牧野元紀さんに聞いた。


東洋文庫は、1924年に久彌氏の蔵書にジョージ・アーネスト・モリソン氏の蔵書を加えて開設された。モリソン氏は英紙ロンドンタイムズ北京特派員であり、東洋に関する書物を収集していた。彼の蔵書はモリソン文庫と呼ばれ、アジア研究の史料として重要な役割を果たしている。現在、100万点以上の書を所蔵する東洋文庫は、東洋学専門の研究施設としてアジア最大の蔵書数を誇っている。世界五大東洋学研究図書館の一つとして、大英図書館、ハーバード・イェンチン図書館と並ぶほどだ。


2010年の改装と翌年のミュージアム開設を経て、東洋文庫は広く親しまれる場所となった。その中でさらに多くの人に東洋学に触れてもらおうと、多様な企画展を開催。過去には、古地図展や漢字展が好評を博した。現在は、葛飾北斎の浮世絵を展示する「東洋文庫の北斎展」が開かれている。劣化しやすい浮世絵が人前に出ることは少ない。そのため、代表作の『諸国瀧廻り』を筆頭として、多くの北斎の絵を一度に鑑賞できるこの機会は非常に貴重だ。北斎展は来年1月に終了し、その後もさまざまな企画展が計画されている。


牧野さんは「東洋文庫は日本のアジア史研究の生命線で、引き継いでいくべき宝です。ここを通して、多くの若者にアジアの多様な歴史と文化を知ってほしいです」と語った。(小泉唯斗)


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