体験通して政治を学ぶ 模擬選挙

選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから4年が経過した。若者の意見が政治に反映されやすくなったものの、依然として若年層の投票率は低い。この状況を改善すべく「模擬選挙」と呼ばれる取り組みが行われている。模擬選挙では、実際の選挙の形式に基づいた投票体験を通し、社会情勢を理解することができる。模擬選挙を広め、未来の有権者を育てる活動を行っている模擬選挙推進ネットワークに話を伺った。


本団体は、2006年から中高生を対象とした模擬選挙に加え、永田町体感ツアーや政党本部探検など政治教育の促進を実施。国政選挙の開催期間に模擬選挙を行い、希望する学校宛にポスターを送付したり、選挙のマニフェストを生徒向けに作成したりしている。これらの活動により、学校では扱う機会の少ない実践的な政治教育を実現している。


模擬選挙は国政選挙の投票率の向上につながると、本団体事務局長の林大介さんは語る。例えば宮崎県では、模擬選挙を実施した高校のうち、約3分の2の高校で生徒の投票率が上昇した。また、模擬選挙に参加した生徒と家族が選挙について話し合うことで、保護者の投票の後押しにもなる。事実、投票率が8割を超える北欧諸国では、家庭内での話し合いが政治への関心を高めているという。現在の日本では政治について話し合う機会がほとんどない。若者の投票を促すためには、自身の考えを安心して話すことのできる環境が求められている。


日本では「シルバー民主主義」という言葉があるように、高齢者を対象にした政策が多く、若者に関する問題は後回しにされがちだ。若者の低い投票率はそうした政治を身近に感じづらい現状を示しているが、同時に票数の伸びしろも表している。一方、高齢者層の投票率は高く、投票率の上昇は期待しにくい。つまり、若者は選挙結果を左右する可能性を秘めているのだ。模擬選挙はそうした若者と政治の距離を縮め、選挙への関心を高める助けとなるだろう。林さんは「若者の一票が無駄になることは絶対にない。投票すれば必ず票が生きることがある」と強く話した。(夏目大)

政治に参加を 個々の意見発信が出発点

若者は政治に関心がないという指摘を耳にすることは多い。しかし、関心の有無にかかわらず、政治は私たちの生活に影響を与える。今回は若者の政治離れが生じる要因と大学生にできることについて、アジア太平洋研究センター所長で法学部の高安健将教授に話を伺った。 若者は自らに公的サポートを受ける機会が少ないため、政治への関心を、他の世代の人々よりも持ちにくい。例えば、日本の学生は学費をはじめとする費用を家計で負担