ライブ配信 現場の努力あり

ぴあ総合研究所株式会社の「有料型オンラインライブ視聴に関する実態調査」によると、18~69歳の約16.5%が2020年に音楽分野の有料型オンラインライブを視聴した。スタジオキッカ吉祥寺でも、昨年3月からライブ配信の事業を行っている。

 

同スタジオは、新型コロナウイルスの影響によるライブの減少とライブハウスへの収容人数の規制に悩まされていた。そこで、ライブをスタジオからインターネットで中継する取り組みを開始。運営元である株式会社アトヨンサウンドファクトリーの田村雄一さんは「ライブ映像や音源を映像化する事業は以前から行っており、そのノウハウを強みとして配信に挑戦できた」と語る。ライブはYouTubeやVimeoなどのプラットフォームを介して配信され、利用者はどこからでも視聴できる。演奏者の希望によってはアーカイブ映像も視聴できるようにしており、ライブが終わった後から楽しむことも可能だ。

 

ライブ配信ではコメント機能を使用できるため、視聴者同士のコミュケーションが促進。視聴者が演奏者に直接感想を伝えられるようにも変化した。また、ライブ中に演奏者にお金を送る「投げ銭」機能は、演奏者にとってはチケット代金に加わる新たな収益となった。

 

ライブ配信は感染症対策としてだけでなく、平時においても利点のある取り組みだ。同スタジオは、ライブ配信を「生の演奏には勝てない」としつつも、ライブ当日に来場できない場合をはじめとする需要がある限り、続けていく方針だ。ニーズに合わせてかたちを変え、いつも私たちのそばにある音楽。その裏側にある現場の人たちの努力を忘れてはならない。(川船英紀)