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成蹊大学新聞会

ソーシャルアートビュー 交流の場に

ソーシャルアートビュー(以下SAV)という活動がある。NPOクリエイティブライフデザインが2017年から企画と運営を行っており、視覚に障害のある人と絵画を鑑賞し、感じたことを発信し合うことでアートへの理解を深めていくものだ。


参加者は2つのグループに分かれ、片方のグループのみが絵画を見る。絵画を見ているグループは視覚によって得た情報を、見ていないグループに言葉で表現し伝えていく。SAVでは、参加者が絵画についての意見交換や質問を通して対話を重ねる。絵画の見方には正解がないため、ざっくばらんにコミュニケーションを取ることができる。それぞれの言葉や表現から他者との違いを知り、相手の立場で考える力を養う機会にもなっている。


人との交流が途絶えがちなコロナ禍においては、Zoomを使ったオンラインでの活動や、オンラインと対面を交えたハイブリッド型の活動を積極的に進めているという。代表理事の林賢さんは「コロナ禍では情報の交換は容易でも、感情を交換することが難しくなった。しかし、SAVはそれを可能にしている」と話す。また、年齢や住んでいる地域に縛られず参加できるというメリットを生かし、絵画の作者が遠方からオンラインで参加したこともあった。鑑賞する側だけではなく、創作する側の人が作品への率直な感想を直接聞くことができるのもSAVの利点の一つだ。


参加するごとに新たな発見や疑問を生み出すSAVは、ますます広がりを見せるだろう。今後は鑑賞の対象を絵画以外のものにも広げることで、より変化に富んだ活動を目指していく。興味を持った方は体験してみてはいかがだろうか。(増地未央)

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