シェアリング 人をつなぐ

所有資産を共有する経済モデルである、シェアリングエコノミーが注目を集めている。このモデルが生まれた背景やメリットについて、シェアリングエコノミー協会公認アンバサダーの和田正輝さん、山岸智也さん、中山珠緒さんに取材した。


シェアリングエコノミーは、個人のスキルや資産などを、インターネット上のプラットフォームを介して個人間で共有することを指す。現在、空間・移動手段・モノ・スキル・お金の5つの分野を中心に発展が見られている。


シェアリングエコノミーという考え方は、2つの背景から生まれた。まず、環境意識の高まりだ。資源の有効利用のため、複数人で一つのモノを共有する選択を行う人が増えている。また、中古品に対する価値観の変化も要因だ。近年、人々がモノを買う時には、新しさよりも質や値段を重視する傾向にある。特にバブル崩壊やリーマンショックを経験した世代は、モノを所有することにあまりこだわらない。今後はコロナ禍による不況を経験した若者にも、同様の意識が生まれる可能性がある。


シェアリングエコノミーは、提供者と利用者の双方にメリットをもたらす。提供者は、使っていない資産を活用できるほか、自身のスキルを仕事につなげることができる。一方、利用者にとっては、自分では買わないモノやサービスを安く利用できることが利点だ。普段は乗らない高級自動車を利用することをはじめとし、シェアリングを通じて特別な体験を味わえる点は、メリットの一つと言えるだろう。


「シェアリングエコノミー」という言葉は、まだ多くの人に知られていないという。しかし、その魅力が広まれば、認知度や活用の機会も高まる。中山さんは「シェアリングエコノミーを通じ、普段関わることがない人たちとの出会いも楽しめる。そうした人たちとのゆるやかなつながりが、人々が支える社会をつくるのではないか」と期待を語る。共有を通じ、人々につながりを生むシェアリングエコノミー。購入だけでなく、共有という選択肢も視野に入れてみてはどうか。(高橋豪)